平成14年5月の新刊(著者名50音順)


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 青葉集 石田富一歌集    四六判/232頁/2500円 

「みちのく」 「杜の都」に憧れて東北大学に入学したのは昭和28年。それからほぼ十年間、文字通り青春時代の歌の集積がこの歌集である。(著者あとがきより)


 
 坂下の街は西より日ざしきて霧ながるるごと立つ埃あり
 動物小舎のしきりににほふ廊下に来て寂しと思ふ学ぶ明け暮れ
 棒樫のほに 稲積由里歌集   好日叢書  A5判/184頁/2500円 

「苦悩の果てに恩寵としての実りの日々を迎えた」と語る著者が、「わが青年」への痛みと限りない愛を歌った第二歌集。 跋・神谷佳子氏
 

 
 棒樫のほにさがりゐる熟れかぼちや荒れたる庭を追はれ窮まる
 秋しろき光のもとに目瞑れば安らぎは古き傷みより来る
 こころ重ぬる 上野喜子歌集  波濤双書 A5判/224頁/2500

高校生だった息子を亡くし、その後姑をおくり、多くの知人・友人の死に出遭いながらも、「その人々の心を受けとめて自分を支えてきた」と語る著者の第一歌集。             


 子よりなほ生き長らへて日々送る今日一日の罪もつごとし
 失ひし子に代るもの再びを障害の児らと向き合ふわれは
 新川運河 酒巻和子歌集  槻の木叢書   四六判/224頁/2500円

新川運河のほとり葛西に生を享けた著者が、ふる里への限りない愛着と、時の重みに堪えてきた半生を歌い留めた第一歌集。序・来嶋靖生氏

 

 新川に魚戻るらし釣竿の撓み揺るるが冬日に光る
 編み上げしセーターの袖の目の乱れ心揺れたる一日のありし
  真昼の街  田中美恵子歌集  朔日叢書  四六判/176頁/2500円 

詠い続けることを自らの生の証として、多くの涙に彩られ、決して平坦ではなかった道を娘達に伝えるべく編まれた第一歌集。序・外塚喬氏
 
 
 物事を気分次第で取り決めるきみの正体がいまだ掴めず
 悲しみを振り切ることも生きる術と五月はじめの風に吹かるる

 花は吹雪かむ   武内綾子歌集   波濤双書  A5判/176頁/2500円

37年に亘る教職生活を終えた著者が、ひた向きに生徒に向き合った日々や、桜の季節に逝った母への思いを綴った第一歌集。


 心整はぬまま校門をくぐり来しわれを教師と生徒は立たしむ
 人と別れ見送りゐしが唐突に一期一会の思ひよぎりつ
 馬を遣はす 原谷洋美歌集  礫叢書  四六判/192頁/2500円 

少女の頃、「景色や人の心の機微が小宇宙となることに魅せられ」作歌を志した著者が、結婚、子育てを経て、再び自然体で短歌と向き合った第一歌集。
 
 
 胸中に鼓響けば自転車の脇に一叢タンポポが咲く
 渡りゆくとんぼ蜻蛉の群を見たる夜を夫にも娘にも黙してゐたき
 風のゆくへ 山本房子歌集   素馨叢書   四六判/168頁/2500円

「一首一首にあの日あの時が浮かび、その時の気持が昨日のように思い出される」と語る著者の、『風にま向ふ』に続く、心の軌跡を歌った第二歌集。

 
 間違ひなく二千五十年の世には亡し戦後五十年思へば束の間
 満ち潮の川の面に月くだけ拾ひ集めて冷たさに覚む