2002年7、8月の新刊(著者名50音順)


こちらのページからもご注文を承っております

*価格は本体価格(税別)
*送料は一冊310円です。



 ファームの神に   北田多恵歌集   水甕叢書  A5判/248頁/非売

誇らかに農に向かい、香り高い果実を育てつつ、「歌もまた、瑞々しいものを創り出さねば」と語る著者の第一歌集。序・春日真木子氏


 


 マイヨールの裸婦像ほどに足ひらき芽吹かんレモンの樹上に立てり    
 明日は開かん花の命を落とすこと人はやさしく摘蕾と呼ぶ
 ふる里の空   栗原敏武歌集   水門叢書  四六判/216頁/2500円

著者を歌の道へと導いた故新井章氏へ捧げる第二歌集――新設大学事務局長を退職後の日常、若き日を過ごしたふる里への感慨が歌われる。


 ひたすらに生き来しひと世か老いてなほ恋ふはふる里木蓮の花
 息荒ぐ馬をせかせて鼻取りし彼の日遥けしふる里の空


 一等三角点   小久保美津子歌集   冬雷叢書 A5判/168頁/2500円
看護婦として過酷な勤務をこなす傍ら、山を愛する著者――仕事、山、家族をドラマチックに歌った第一歌集。
跋・大山敏夫氏


 アルプスの一万尺を登り来て一等三角点に頬擦りをせり

 看護婦の首に抱きつく被災児に家は父母はと問ふをためらふ
 毬 唄   田中正代歌集   草木叢書  四六判/224頁/2500円

かなしみを契機として自らを磨き、言葉の技を高め、「精神透明の域に及ぶ」とも評される著者の第一歌集。跋・島田修二氏


 

 
 目瞑れば胸の奥処に聞こえ来て祖母のうたへる毬唄かなし
 母亡くて父無くて過ぎし幼年期われには夫も二人娘もある
 一色たりない虹  竹内千世子歌集  A5変型/208頁/2000円

一色足りなくて虹になれない虹、のように自らの歌を〈短歌とはいわれない作品〉という著者の、機智に富んだ、待望の第一歌集。
序・浅野英治氏


 

 
 湧き出ずる泉のように歌いたし五月の頬にここちよき風
 待ち合わせの柱のかげを見まわせり武蔵と思えど小次郎らしき
 血 縁  千勝三喜男歌集  A5判/228頁/3000円

若くして釋迢空門下の新鋭歌人であった千勝氏は、師の没後に心ならずも短歌を断念した。だが、四十年後の一つの契機から歌への深い執着がよみがえり、人生鬱然の思いは凝縮して一冊の歌集となった。『血縁』は重厚で、さわやかな歌集である。      (岡野弘彦氏)
                      

 

 
 女男の峰ひとつになれる筑波嶺が緩きなぞへの尾根北に曳く

 三月のひかりに倚れば夢殿の高欄あはきぬくもりを保つ
        布宮みつ子歌集     A5判/232頁/2500円 

編集者として多くの詩歌に関る企画に携わってきた「展景」主宰の著者が、故里山形由縁の紅花に思いを託して名づけた第二歌集。
跋・山折哲雄氏


 
紅(べに)の花咲き初めにけり黎明の最上川原を夢に迂回す
夫(つま)逝きていまわが猫を死なしめていよよこの世に執するわれか

 均衡の翼   増田淑子歌集       草木叢書  四六判/216頁/2500円

「『均衡の翼』は、基本的には端正で、気品を失わない、抒情の正道ともいうべき作品集と言える。」(島田修二氏「跋」)と評された第一歌集。

 


 ラバウルより帰りたる父は戦ひを語らぬままに老いて逝きたり
 しぐれたる師走の空を飛ぶ鳶の均衡の翼われにあらばや
 風の出で来し   山田弥生歌集     四六判/208頁/2500円  

花火や大相撲、歌舞伎など、東京に暮らし、東京の風物を愛する著者の、<古風で新しい>、色彩感豊かな第一歌集。
ことば・鵜飼倫美氏

 
 無縁坂とろとろ歩み帰り来て鴎外の『雁』読みなおす宵
 一抹の悼み心はいずこよりえのころ草に風の出で来し

 笑わぬ木瓜  吉原和子歌集     水甕叢書  A5変型/184頁/2500円

旧家を守り、奮闘する著者が、皆の寝静まった宵に1日を振り返り、暮らしの中の出会いや感動を詠み続けてきた第一歌集。
序・春日真木子氏
           


 わが裡に眠るおふくろ叩き起こし下宿に届けるおふくろの味
 改築の部屋に鏡の一つ増え右往左往の私が増える