短歌研究社刊 2008年8月刊 歌集・歌書

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『星状六花』

紺野万里歌集『星状六花』

第34回現代歌人集会賞受賞
2008.8.18刊/A5判/224頁
定価2,500円(本体2,381円)
ISBN 978-4-86272-116-7

紺野万里さんの有する発想の尺度はなかなか個性的である。時間や空間を跨いだ豊かさとロマンチシズムが感じられる。彼女の自在な眼差しは一方で、現象の本質に切り込む鋭さも備えている。(栗木京子・栞より)

見つめあふしまらくを鹿とヒトでなく大地溝帯の二匹のやうに
手のひらに受ける化石のしづもりよユラ紀の未来といふを預かる
夜のしづか雪のしづかの底にゐて訪ひたきものはわが裡にあり
「イマジン」流れし終月八日夜もんじゆ内部に積もりたる雪
朽ちること叶はぬものがあをあをと億の時間をプールに揺るる
くろぐろと川は息づく日の終はり光の皮を脱ぎ捨てたれば


『えくぼ』

松井多絵子歌集『えくぼ』

2008.8.23刊/四六判/196頁
定価2,000円(本体1,905円)
ISBN 978-4-86272-109-9

自在な表現で個性的な世界を創出する著者が、「はっきりと自分の制作意図を打ち出して訴えているこの一冊」(大島史洋・跋)により、読者を未知の世界に導く。待望の第一歌集。

駅前のおもちゃ屋さんが店を閉じわたしの町はえくぼを失う
木陰からわたしに見られている海が今はおっとりしているけれど
ボクだったあの子がいつしか俺になり一杯やろうと我をいざなう
親切な言葉のような意地悪な言葉のような「おとしより」とは


『一塊の風』

宮澤燁歌集『一塊の風』

2008.8.1刊/四六判/192頁
定価2,500円(本体2,381円)
ISBN 978-4-86272-108-2

『私を歌う』というよりも、『私が歌う』ということを意識した作品で占められていて、そこに作者の内なる貌が見え、読む者をたのしく刺激する。( 山下和夫「序」より )

切りし尾の青きを残し 一塊の風につまずき蜥蜴消えたり
臓器二つ異界へ預けた空洞に春のじかんが流れゆくなり
霊魂を腰のあたりにぶら下げて夕青き野を分けゆく男
一位の実は木の実朱の実つぶらな実落下しころびてなお一位の実


『藻琴嶺』

渡辺ハツヱ歌集『藻琴嶺』

2008.8.8刊/A5判/200頁
定価2,700円(本体2,571円)
ISBN 978-4-86272-111-2

網走に生まれ育ち、屈斜路湖北壁にある藻琴山を仰ぎながら教員生活を始めた若き日を「人生の出発点」とする著者が、30年間詠みためた作品を纏めた第一歌集。 序・足立敏彦

すがすがと薄荷の香り纏ふ児ら藻琴嶺につづく道通ひきし
汽水湖をふかく抱ける花の径ワッカの砂州に濃ゆし野あやめ
伸びたる枝束ねし夫の黒き紐はづすことなく木槿咲かせる
命得てひと日ひと日をつつしめり今日為残ししこと何もなし


『生命の木』

森島峰子歌集『生命の木』

ヤママユ叢書
2008.8.11刊/四六変型/200頁
定価2,625円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-113-6

前登志夫に師事、故郷越前海岸への郷愁を掻き立てつつ、「自分の中にも流れている漁民の血、プリミティブなエネルギー」(あとがき)を失わずに詩を紡ぎ出してきた著者の第一歌集。

わだつみの底つ国なる虹の色あまたの猛き魚はうたへよ
はるかなるケルトの民より伝はりし生命の木を君がため編む
帰郷する靴にあらずや傷つきし国道二号線を踏みゆく
野を駈けし記憶明るむ夏の朝みづなの根より土は零れて


『さくら浄土』

原昌子歌集『さくら浄土』

槻の木叢書
2008.8.20刊/四六判/216頁
定価2,500円(本体2,381円)
ISBN 978-4-86272-114-3

働き盛りの息子を癌で喪うという大きな悲しみに遭い、短歌に救いを求めた著者の、「供養のために歌集を編みたい」との切なる願いの篭る第一歌集。 序・来嶋靖生

みづからの癌を告げくる息子の電話母さんごめんと声落しつつ
天に在す息子よ雪になりたるか汝が生れしも雪の明け方
新しき生命の愛し祖母われは赤子抱きて泣きつつ笑ふ
母の逝き子の逝き三たび花咲けりさくら浄土かうつし身われに