短歌研究社刊 最新刊歌集・歌書

・全国書店からご購入できます
・インターネット、メール、お電話でのご注文も承ります ネットでのご注文はこちらからどうぞ
・送料表示のないものは一冊200円です


『硝子の島』

川野里子第五歌集
『硝子の島』



2017. 11.10刊/四六判/184頁
定価3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-86272-546-2

大航海時代の世界地図には
記されていない国
〈ジパング〉からの旅人である「私」は
ベネチアで
FUKUSHIMAの
名を耳にする──。

被災ののちの
日本の原像を求めて訪ねる
東北、南島、
そして老いゆく母
静かな中に勁さを秘めて
いま、自在にうたう

シャワー浴びるわたしは寂しい巨大花スマトラオホコンニャク今夜咲かむとしつつ
ベネチアに見てゐる古地図日本のあらかじめなくこののちもなき
列島に日本人のみ残るといふあの舟に吾は帰るべきなり
白秋がせし恋どれも深傷なり摺られながらに林檎かをりぬ
わが裡のしづかなる津波てんでんこおかあさんごめん、手を離します


『散録』

外塚喬第十二歌集
『散録』



2017.10.20刊/四六判/204頁
定価3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-86272-537-0

父七十二歳、師木俣修七十六歳
という年齢を強く意識しつつ、
心のおもむくままに歌い続けた日々の断章


もしや今日は天老日かわだかまり何ひとつなく空は冬晴れ
山鳩のどどつぽつぽと鳴くけやき夜には風のたまり場となる
家にまで持ち帰りては心配の種になる種を大空にまく
何が取り得かと訊かれてもがんもどき煮るぐらゐしか能がなく
手すさびにゆふべに開く子の図鑑くはがた虫の臭ひこもれり




『樹氷まで』

秋葉四郎第十二歌集
『樹氷まで』


2017.10.5刊/四六判/204頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-540-0



斎藤茂吉記念館館長として茂吉をめぐる人々の情に触れ、
ときに蔵王の樹氷林に向かう。
またある時は、大都会のビル群のはてい沈む日に啓示を受け、
街の灯に憩う。
グランドフィナーレの心境に立つ作者七十代後半の作品群。


十六夜の月中空に光りつつ雪ふりをれば人をしのばす
敗戦国の少年としてかたくなに育ちきいまだに消ゆることなし
街の底泡だつごとく点り来てつづまりに人は夜の灯に憩ふ
上山の茂吉の蛍とぶ道を恋しき光身に沁みあゆむ
佐太郎の生年越えていよいよに独りとぼとぼと遠き道行く


『裸眼で触れる』

松本典子歌集
『裸眼で触れる』



2017. 9.1刊/四六判/148頁
定価2,160円(本体2,000円)
ISBN 978-4-86272-545-5


  
震災、原発、母の老い、不穏な世情、内戦、難民・・・。
生きがたい時代を
懸命に生きる人々の
命のきらめきを見つめて。


『いびつな果実』『ひといろに染まれ』に続き
七年ぶりに世に問う第三歌集!


あふぎ見るたわわの桜すべての歯こぼれるまでに母は生きて来て
「ふるさとを除染するため」食べるため原発へ向かふひとバスに消ゆ
〈保育園落ちたの私だ〉プラカード持つパパはゐず泡雪が舞ふ
シリアから逃れしだれもが持たぬ鍵ひかれりわが家のドア閉むるとき
ひといきにキャンドルの火を吹き消せばくらやみに生るつぎの戦火が
                              


『塚本邦雄全歌集 第八巻』

文庫版
『塚本邦雄全歌集 第八巻』



2017. 6.9刊/文庫判/332頁
定価2,484円(本体2,300円)送料100円
ISBN 978-4-86272-558-5

 戦後短歌と対決し続けた塚本短歌
 その最晩年の戦いの全貌


序数歌集二十四冊のうちの『汨羅變』、
全集未収録の『詩魂玲瓏』『約翰傳偽書』、
ならびに拾遺三十二篇に加え、初句索引を付す

 エッセイ=坂井修一「冥府の鼻歌」
 解題=島内景二


『梟を待つ』

植田珠實第一歌集
『梟を待つ』



2017. 8.8刊/四六判/196頁
定価2,916円(本体2,700円)
ISBN 978-4-86272-535-6

「その歌は、やわらかく茫洋としており、それでいて不思議な鮮やかさを持つ。
 古い時間と不確かな〈今〉を行き来しながら、目の前にあるものを、
 やわらかなまなざしで包みとる。」
(吉川宏志・解説より)


たちのぼる霧は三輪山より生れて母もいつしか隠れてしまふ
沢蟹の朱のちりぢりに隠れゆき始神峠の翳の深まる
みづうみは風のかたちに凍りたり脚を曲げつつ牡鹿が渡る
小学校の軋む廊下をバケツ持ちくれし少年といまも棲みをり


『鳥語の文法』

遠藤由季歌集
『鳥語の文法』



2017. 7.1刊/四六判/176頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-532-5

他者の道を歩くことはできず、自らの道を歩むよりほかにない現実を
投影してしまう詩形としての短歌、そのような短歌への親しみと畏れを、
本歌集を編むことによって改めて抱くことになった。
(あとがきより)


現代短歌新人賞受賞の『アシンメトリー』から七年となる待望の第二歌集。


月光はスライスアーモンドより脆く身じろぐたびに割れてしまった
冬がいい桜並木の静けさを独り占めして歩くのならば
ガラス戸に翳り映れるわが顔もわが顔 鳩が白く過ぎりぬ
フード付きパーカーはおる季となり知らずに積もる後ろの時間
遊歩道ぐるりと廻らせ手賀沼は確かめておりおのれの広さを
じわじわと四十代にも馴染みおり器に牡蠣の殻積み上げる


『肖てはるかなれ』

塚本靑史著
『肖てはるかなれ 斜交から見える父 』



2017. 6.9刊/四六判/234頁
定価2,800円(本体3,024円)
ISBN 978-4-86272-529-5

      十四年の歳月をかけて紡ぎだす
       父と私のかけがえのない時間


 

私の文章は、息子から見た父、邦雄像に過ぎない。
それでもクニオワールドを囲む壁に穿たれた穴よろしく、
実像の一部を垣間見る手助けぐらいにはなろう。
(「後記」より)

一歌集から一首を引き折にふれての雑感を綴る「徒然懐旧譚」八十二話に
「祖母の面影 追悼安永蕗子」、「塚本邦雄全集月報」より十六編を併録
 


『ぶどうのことば』

大松達知歌集
『ぶどうのことば』



2017. 5.16刊/四六判/192頁
定価2,916円(本体2,700円)
ISBN 978-4-86272-526-4

まだ小さな娘と私
夫、父として、
教員として、
世界の中のひとりとして
ほろ苦い日々

ときにひとり酒を酌み
歌友と語らう
四十代なかば、
充実の日々。

若山牧水賞受賞『ゆりかごのうた』につづく
2014年から3年間の455首をおさめる第五歌集


呑むための器ばかりが増えてゆく四十半ばの白い白い闇
おやすみを言はずに妻が寝てしまふ家族三人になつたころから
ふりつもる雪はなけれど月光のふりつもりつつ吾子はねむれり
この酒はだれが飲ませる我酒かな生徒を思ひ二親を思ふ
居職でも出職でもなく満席があたりまへなる教室にゆく
四歳をぐぐつと抱けば背骨あり 死にたくないな君が死ぬまで


『M子』

もりき萌歌集
『M子』



2017. 5.17刊/四六判変型/172頁
定価2,160円(本体2,000円)
ISBN 978-4-86272-536-3

前歌集から5ヶ月。
病魔との闘いの日々に書き続けた歌による第二歌集。
「一生を不器用に迷いながら生きた証として、一時期の筆名でもあった
『M子』と名付けました」(あとがき)


胎内の芽生えのようにゆらゆらと光の紐を握りしめたい

    「森木々の萌え出づるいのちをペンネームとした作者が、病魔とのたたかいの日々にあって握ろうとした
    息の緒のひかりの紐。そしてそこから引き出されて来た歌たち。転生の胎を夢見るまえに、
    いま生きてあるその裡なる想いの光芒を見せて欲しい。見せ続けて欲しい」(大塚寅彦・帯)


手のなかでサイコロ振れば振りだしにもどれますかと海鳥に問う
胸元を飾ることなくクリスタルのブローチひっそり聖夜に光る
何度でも書き替えられた世界地図一千年後も桜は咲くか


『痩せ我慢』

山野吾郎歌集
『痩せ我慢』



2017. 4.23刊/四六判/188頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-523-3

本年95周年を迎える「ひのくに」代表として17年余。
「したたかな自尊」を支えに、
昭和一桁世代の「痩せ我慢」の美学を貫く、
著者渾身の第二歌集。


つきつめて男はみんな痩せ我慢  冷奴にずぶり箸を突き刺す
はろばろと哀浪の見し脊振山うちたたなわり碧にそそる
顔色のよさを言われて他愛なし稚気が病後の頰をゆるます
会果てし雨の巷へ連れ添いておとこ二人にゆく先がある


『男歌男』

奥田亡羊歌集
『男歌男』



2017. 4.17刊/四六判/180頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-528-8

閉塞感の増す現代に「男歌」は可能なのか──
『亡羊』から十年、「短歌研究」の連載がまとまりました。
長歌を含む312首所収、待望の第二歌集!

男歌の系譜ここにて断たれたり人呼んでわれは男歌男
牛頭馬頭と人と遊んでいるごとし娘の開く『地獄絵巻』に
なにもない大地に風が吹いていた いつかぼくらがよろこびますように


『手紙の森』

岩崎恵歌集
『手紙の森』



2017. 4.9刊/四六判ソフトカバー/92頁
定価1,620円(本体1,500円)
ISBN 978-4-86272-516-5

恋の始まりと終わり──
卒業制作の短歌650首で日本大学芸術学部長賞を受賞した著者の
若い女性の揺れ動く思いや、その眼に映るパステルカラーの世界を
みずみずしい感性で歌い上げた第一歌集。

恋人に会いに行く道あかるくてクレッシェンドのスキップをする
空からの雪の手紙を読むように君にもらった恋文を読む
枝先にささった手紙 手を伸ばしても伸ばしてもまだ届かない


『連灯』

佐藤通雅歌集
『連灯』



2017. 3.11刊/四六判/220頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-521-9

一日一日の生活を重ねていくほかに何ができるだろう
震災後2013年から16年の340首を収録

万の死を悼みて朝はのぼるなり桜通りの連灯沿ひを
幼子の骨かとつまみあげたるはクレヨンの白、先が丸つこい
存ふる側に選ばれしひとりにて百メートルの買い出に並ぶ


『行きて帰る』

橋本喜典歌集
『行きて帰る』



2016.11.11刊/四六判/ 252頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-502-8
まひる野叢書

斎藤茂吉短歌文学賞・迢空賞 ダブル受賞
詠えとごとく短歌はありぬ。いのちを愛しみ,時代を見据える,思念の歌556首
短歌研究賞受賞作「わが歌」、受賞後第一作「初蝶は」50首を収録

蒼波のわだつみの声に杭を打つ「だまれ」はかつての軍人言葉
初蝶は而立の袖にまつはりて八十八の袂にも来む
あこがれは行きて帰るの心なり谺はかへる言霊もまた