短歌研究社刊 歌集・歌書


『メタリック』

小佐野彈歌集
『メタリック』



2018.5.21刊/四六判/184頁
定価2,160円(本体2,000円)
ISBN 978-4-86272-585-1

「『メタリック』、凄まじい迫力で向かって来る歌集でした。
 解説も覚悟して書きました」──水原紫苑

社会への怒りと苦悩、希望と諦念、歓び、割り切れない思い――。
ありのままの裸の姿をつむぐ、
心に突き刺さる370のまったく新しい歌。

ママレモン香る朝焼け性別は柑橘類としておく いまは
セックスに似てゐるけれどセックスぢやないさ僕らのこんな行為は 
どれほどの量の酸素に包まれて眠るふたりか 無垢な日本で
俺たちは帰巣本能うしなつた鴉なんだよ だから好きだよ
十字架のピアスぷつりと挿したれば側頭部から夜は始まる

解説=水原紫苑/野口あや子
装幀=鈴木成一デザイン室

◇ 「日本経済新聞」
       7月3日(火)「夕刊文化」内でインタビュー記事を掲載いただきました。

『真夏のシアン』

熊谷純歌集
『真夏のシアン』



2018.4.18刊/四六判/192頁
定価2,160円(本体2,000円)
ISBN 978-4-86272-580-6

不安と憧憬を、時代を生きる痛みを、そしてはかない恋を
真青の風に託してうたう、
第一回近藤芳美賞受賞の表題作を含む
424首を収録。

三十九かすかな熱を抱いたままコンビニエンスストアのバイト
何もかも捨てて身軽になりたるにふたたび恋を拾はむとする
あざやかな思ひ出そつとひもとけば渡れる風は真夏のシアン
いくつものバイトと四つの会社辞し街には元の職場があふる
正解はときに濁れりうつくしき誤答をわれは探しつづける
さは言へど右も左も靴先は近き未来の方へ向きをり

装幀=真田幸治



『テラリウム』

栗原寛歌集
『Terrarium テラリウム 
   〜僕たちは半永久のかなしさとなる〜』

朔日叢書
2018.4.18刊/B6判変型/116頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-573-8

「短歌は勿論であるが、アーティストとして作詞、合唱指揮に
  青春のすべてを賭けている著者の、清新な第三歌集」(外塚喬)
『窓よりゆめを、ひかりの庭を』につづく待望の新歌集!

まなうらにいつかの夏をひからせてたゆたひやすき午後のこころは
肩甲骨は羽のなごりといふからにピアノ弾きをりこよひ地上に
ゆふぐれは迫り来りてひとときを幸せにするためだけの嘘
最終回はひつそりとくる貝のやうに忘れ去られてきみと僕との
CDに閉ぢこめられて僕たちは半永久のかなしさとなる
咲きかけのさくらのまへにたたずみてファインダーごしに春がとどまる


『ティーバッグの雨』

田村ふみ乃歌集
『ティーバッグの雨』



まひる野叢書
2018.4.15刊/A5判変型/208頁
定価2,808円(本体2,600円)
ISBN 978-4-86272-574-5

冷えびえとした日常から、美の世界へ疾走する作者。
こまやかで、リアリティのある韻律が読者を魅了する。
第7回中城ふみ子賞受賞作をふくむ第一歌集。

ヒゲのなきガラスの猫に凍むる光夜すがら瑕を浄めんとせり
溢れたる目薬拭い去りしのち喉に苦しひとつ春の噓 
照りつける西日の舗道に動かざるムカデが地表の紋章となる
飴細工 琥珀の熱を黄金の尾びれに変えておよぐ晩夏を
巻き貝の螺旋の尖のその先を辿れずふたりの夏を逝かしむ


『柿若葉』

神山亮歌集
『柿若葉』



好日叢書
2018.4.6刊/A5判/220頁
定価2,916円(本体2,700円)
ISBN 978-4-86272-575-2

長年不織布の研究開発に没頭、
退職後に作歌を再開した著者の第一歌集。

「先を常に見つめ達観して生きる姿勢が、
 平明で穏やかな表現のなかに感じられる」 (神谷佳子「序」より)

生きてきて更に生きゆく誕生日妻と連れ立ち夕桜見る
茅の屋根葺き替へられて秋の日に眩しくありぬ左千夫の生家
里山の高みに咲くも夕照に染まず辛夷の白を極むる
手つかずの明日があると日日生きて平均寿命ゆるり過ぎゆく


『琴坂』

古家シゲ歌集
『琴坂』



井泉叢書
2018.3.27刊/A5判/196頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-570-7

「琴坂」は宇治市にある興聖寺へ向かう参道。
子育てを終えた姉妹四人が初めて揃った思い出の、
京都旅行を題名とした第一歌集。
序・竹村紀年子

三年日記買えばかすかに胸はずむ新しき自画像見る予感して
刻早く上りし早春の満月を見つつ歩めば光増しくる
いかほどの時をゆるされ老父と娘の会話とつとつ続きていたり
小暗がりの上り坂行く〈琴坂〉とう美しき名もて幾百年経る



『白髪屋敷の雨』

河野泰子歌集
『白髪屋敷の雨』



2018.3.10刊/四六判/192頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-567-7

「この歌集の特長の一つは、風土的人間関係的な豊かさの中で
作者が新しい歌境を拓いていったところにある。
それには、作者が十代から培って来た文学的素養と、
技巧の多様さが作用している。」
(岡井隆「帯」)


「瞬間は聖地」といふ論スタンドの灯をしぼり読む夜半のベッドに
失せて出ぬものの殖えゆきしらくもの棚引くやうなじかんがのこる
ほほゑみをといふならまづはあなたからしてよこよひは明月なれば
言語野に靄のかかりしやうなりて立ち竦みをり 猫が鳴いてる


『樹氷まで』

文庫版
『塚本邦雄全歌集 第一巻』


2018.2.3刊/文庫判/240頁
定価2,376円(本体2,200円)
ISBN 978-4-86272-551-6


  敗戦後の焦土から
  日本文学と日本文化の新生を目指す
  塚本短歌の原点

初期三作『水葬物語』『装飾樂句』『日本人靈歌』に
昭和23年10月の日付のある新発見『火原翔 俳句帖』を収録


 エッセイ=藤原龍一郎「またの名は火原翔」
   解題=島内景二


『褐色のライチ』

鷲尾三枝子歌集
『褐色のライチ』

かりん叢書
2018.1.18刊/四六判/208頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-571-4



晩年の母を看取り、しだいに生きにくくなっている時代のなかで
「何をどう詠えばいいのか」を問い続けた十年間の作品群に、
急逝した夫、小高賢への挽歌を加えた第三歌集。


秋くれば円谷幸吉かなしめる人がわが夫干し柿食みて
月はあまりに大きすぎれば北をさす渡りの鳥はそのなかを出ず
陽のなかをふりゆくさくらが青みおぶ明るき花とついに思わず
根こそぎに防風林伏すそのむこうつよく光るは閖上の海
話したき言葉あふれる黄昏の身体のままに引きかえしたり
かたわらにありし体温おもいつつ金曜のデモに行かんとおもう


◇ 3/6(火)毎日新聞・夕刊「読書日記」にインタビュー記事が掲載されました。

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『庭のソクラテス』

長澤洋子著
『庭のソクラテス 記憶の中の父 加藤克巳』



2018.1.8刊/四六判/160頁
定価1,728円(本体1,600円)
ISBN 978-4-86272-569-1

            子どもの目で見た、
          モダニズム歌人加藤克巳の暮らし
         1960年代の家族と郊外のものがたり    


  

Ⅰ「つくりものがたり」のころ/もんだい/母の論理・父の論理/褒め上手の「ええかっこしい」/家の記憶/庭のソクラテス/防空壕/書斎放浪/「近代」のころ/浦和田園モダン/洋服の思い出/はなれ
Ⅱ ななもさん/オーノセーフさん/「面白い!」Ⅰ「おもろい精神」編/「まんにょう」と「まんよう」/「オカタイ」人/電話番/チャスラフスカ
Ⅲ わが家の夕めし/ビールには栓抜き/「へしこ」の話/脱力系の手法/モダンの系譜/アコーディオンとオブジェ/りへいちゃん/蛍飛び
Ⅳ 大学時代のノート/手が考える/弟子にして弟子にあらず/もっと自由に、もっと奔放に   (目次より)

伝統と闘いながら現代美術思潮まで含む高度の詩精神を盛り込んで、
新しい時代の短歌を作ったモダニズム歌人加藤克巳。
長女の長澤洋子氏が1960年代の埼玉県浦和を舞台に、
軽快な筆致で 「熾」に連載されたエッセイを加筆、再構成。
写真や当時の家の 見取り図などと共に、生き生きと語られるエピソードの数々。

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