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短歌研究社刊 歌集・歌書


『明月記を読むー定家の歌とともに』上・下

高野公彦著
『明月記を読むー定家の歌とともに』上・下

コスモス叢書
2018.11.20刊/四六判並製
上巻228頁/下巻232頁
定価 各巻3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-86272-600-1/601-8



「短歌研究」での49回、5年にわたる連載を待望の単行本に!
高野公彦が、明月記によって定家の生涯をたどりつつ、
歌の背景と定家が希求した美の世界を読み解く。
定家略年譜・定家和歌初句索引付き


定家は天才的な歌人であり、冷たい人物を連想させるが、明月記を通して現はれる実際の人物像は、
真面目で几帳面な人、探究心の強い人、道義に反する行為を憎む人、忍耐づよい人、そして人間的な
温かみのある人、と いつたやうな多面性を持つてゐる。 (「あとがき」より)   



『あさげゆふげ』

馬場あき子歌集
『あさげゆふげ』


2018.11.3刊/四六判/284頁
定価3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-86272-596-7




 
衛星のごとく互にありたるをきみ流星となりて飛びゆく



岩田正氏が亡くなった日を歌った連作「別れ」、
その後の思いの挽歌を含む、第二十七歌集。



朝餉とは青いサラダを作ること青いサラダは亡きはは好みき  (あさげゆふげ)
今日なさず明日なさずされどひと生にはなさんと思ひゐることのある   (春逝く)
長考し長考し見ゆるものありや一石を投ずるといふことの大きさ    (椿山抄)
梅咲けばツルゲーネフの『散文詩』きみの声きくごとく取り出す   (衛星のごとく)
夫のきみ死にてゐし風呂に今宵入る六十年を越えて夫婦たりにし   (別れ)
大ぶりの椀にたつぷり雑煮して謹賀新年ひとり正月   (ひとり正月)

装幀=倉本 修


『稲葉京子全歌集』

『稲葉京子全歌集』



2018.11.19刊/A5/748頁
定価10,800円(本体10,000円)
ISBN 978-4-86272-548-6




病弱で常に病と闘いながら、表現者としての強い意志を貫き、
生涯に十四冊の歌集を刊行。 若き日の春日井建とともに研鑽を積み、
繊細な抒情は早くから高く評価された。人生の悲哀を深く見つめ、
独自の美意識で新しい歌の創造に取り組み続けたうたびと、稲葉京子。
その透徹した詩の世界の全貌を伝える四千九百六十二首。  

【収録歌集】


ガラスの檻/柊の門/槐の傘/桜花の領/しろがねの笙/
沙羅の宿から/紅梅坂/秋の琴/紅を汲む/天の椿/
宴/椿の館/花あるやうに/忘れずあらむ       ── 全14歌集4962首


【栞】

岡井隆/岩田正/森山晴美/松平盟子/春日井郁/
吉川宏志/水原紫苑/小島ゆかり

装幀=倉本 修
 


『あしたの孵化』

辻聡之歌集
『あしたの孵化』


2018.8.30刊/四六判/164頁
定価2,160円(本体2,000円)
ISBN 978-4-86272-588-2


「控えめに言って、この歌集、かなりいいんじゃないか」
                    (荻原裕幸)

 絶望にも至らず、虚無にも落ちず
 自らを保つ知性は、今日の若い世代のもつかなしみでもあろうか。
「あしたの孵化」という題名は、そのまま薄い光を覗かせる
 希望への希求であり、示唆的である。 ──────馬場あき子・帯より


ナポレオンは三十歳でクーデター ほんのり派手なネクタイでぼくは
キリン二頭くちづけせんと首伸べているサバンナのTシャツを着る
やがて孵るものはおそろし花冷えの窓より放るかまきりの卵
人を恋うこころのごとく立つポン酢小さき土鍋の湯気に濡れつつ
冬枯れに中華料理屋華やぎて人間はみな踊るシュウマイ

栞=荻原裕幸/松村由利子/寺井龍哉
装画=福田利之  装幀=酒井田成之(sakaida design office)

 


『ラプソディーとセレナーデ』

鷺沢朱理歌集
『ラプソディーとセレナーデ』


2018.8.12刊/A5判/196頁
定価2,808円(本体2,600円)
ISBN 978-4-86272-583-7




 現代において失われた古典的な美意識の復権ということも
 鷺沢の中にあるのは明白であって、 言葉本来の意味に近い
 些かフェティシズミックに見える拘りによってそれを実現しようと
 していると思われる。 仮想現実的なリアリティを古典的な語彙と
 形式によって実現したい、そんな意志さえ感じてしまう。
 ────大塚寅彦氏・解説より

練り上げられた言葉により絢爛たる美の世界を顕現
中部短歌会新人賞の新鋭歌人が満を持して世に送る第一歌集!

紅蓮や紅蓮燃えて帰蝶は亡き父の山城たかく灰と散りたし
仔豹らは峰の真上のさらにうへのゼニスの青を雪崩前見し
滅ぶ日も都は繁盛せしといふ宋こそビザンティンに比す虚美の国
花浄土楽のひびきに誘はれて菩薩なめらに舞ふ花浄土
散るを受けよ桜颪の山もとは風に開かるる金屛の夕
ときを経て想ひ変はれとブラームスを縺るる指の嬰ヘに始む


『塚本邦雄全歌集 第二巻』

文庫版
『塚本邦雄全歌集 第二巻』


2018.6.26刊/文庫判/312頁
定価2,484円(本体2,300円)
ISBN 978-4-86272-552-3


西欧と日本、
古典と現代を 横断撹拌し、
絢爛たる美を創造する   

『水葬物語』に先立ち、戦時下
碧川瞬の名で試みた新発見の青春歌集と
『水銀伝説』『緑色研究』『感幻樂』を収録

エッセイ=尾崎まゆみ「”玩具函をひっくりかえしたような”歌集の楽しみ方」
解題=島内景二


『かざぐるま』

田口綾子歌集
『かざぐるま』



2018.6.15刊/B6判/192頁
定価2,160円(本体2,000円)
ISBN 978-4-86272-586-8


けれど、犀利な彼女は知っている。
その風で あたためられた
世界の余熱に、
歌の言葉が
生かされていることを。
           ─────堀江敏幸

               (帯文より抜萃)

    

短歌研究新人賞受賞作「冬の火」収録。
たしかな足取りを示す第一歌集!

 
君はいま泣かねばならぬ 今すぐにレイン・コートを脱がねばならぬ
祖父の記憶は雪に近づきわたくしはピエロの顔をしたゆきだるま
頬のつめたきはずのひとりをさがしつつ蕾のおほき庭を歩めり
答へなど持たぬまま会ふ雪の日に会へば雪降ることを話して
旅先にふたりでひとつのトランクを引きゆくやうに君と暮らさむ

装幀=岡孝治+鈴木美緒

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『塚本邦雄の宇宙 Ⅰ・Ⅱ』

 菱川善夫講演集
『塚本邦雄の宇宙 Ⅰ・Ⅱ』


2018.6.3刊/四六判ソフトカバー
Ⅰ-352頁/定価3,240円(本体3,000円)
Ⅱ-380頁/定価3,456円(本体3,200円)
ISBN 978-4-86272-578-3/579-0


前衛短歌の旗手、塚本邦雄────
その没後、同時代を生きた盟友として
自ら厳選した代表歌五百首を深く、熱く、
読み解き語る  菱川善夫、畢生の仕事

…菱川が、自らの死の二週間前まで、淡々と塚本邦雄の生涯にわたる作品の解説、鑑賞、批評を継続したことに、私はある厳粛な思いを禁じることができない。菱川善夫にとって、塚本邦雄こそ、生涯のテーマであり、それはとりもなおさず、菱川善夫という評論家の基底であり、レーゾンデートルでもあったのである。その生涯のテーマ、目標に死の二週間前まで取り組むことができたことは、ある意味では、評論家冥利に尽きると言ってもいいのではなかっただろうか。 (永田和宏「解説」より )


解説=永田和宏
あとがき=菱川和子
資料  代表歌五百首

写真・装幀=間村俊一


◇ 「日本経済新聞」8月18日(土)「読書」欄にて書評を掲載いただきました。
「人間を信じ直す『憎しみ』の力」https://www.nikkei.com/article/DGXKZO34270860X10C18A8MY6000/

『ハチドリの羽音』

芹澤弘子歌集
『ハチドリの羽音』


2018.6.17刊/四六判/188頁
定価3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-86272-576-9



言葉も行動範囲も枠を外し、より自由な世界をめざす。
理智的でインターナショナルな感覚を持つ著者の、
「自立宣言」ともいうべき第一歌集。
跋・松平盟子


庭隅に打ち捨てられしシンビジウム自立宣言のように花噴く
√2がある日√1となり夫亡き家は屋根無き心地
寂しさを細かくちぎり撒いて行くかえりは寂しさたどって帰る
語り合うように互いを映し出し鏡面ガラスのビル街朝来る
千年後の屋根の傾き測りおり宮大工にふる今年の桜



『日出美ちやんごめんねありがたうね』

仰木奈那子歌集
『日出美ちやんごめんねありがたうね』



2018.6.11刊/四六判/176頁
定価2,700円(本体2,500円)
ISBN 978-4-86272-584-4



一人娘を自死に亡くしてから二年半。娘の懸命に生きた姿を悲苦に耐えながらも
詠い遺すことによって、止まっていた心の時間が動き始めたという母の歌集。



子のまことの心の叫び受け止めてやらざりし悔い身を食ひ散らす
子を亡くしし親の後悔突然に津波となりて立ち上がり来る
冬の夜は厚手のピンクのバスタオル掛けて眠らする娘のお骨
雪降れば亡き子を思ふ降る雪は亡き子の涙天よりの涙
娘と共に生きし三十二年の歳月を目を閉ぢて思ふ心に思ふ
愛しても泣きても詫びても娘には届かざる両手空に差し伸ぶ

◇ 「神奈川新聞」6月24日(日)「かながわの本」内でご紹介いただきました。

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